登別市のアイヌ語をもとにした地名は、どのような意味をもっているのか
登別市の名前は、アイヌ語の「ヌプルペッ」という音に漢字をあてはめたものです。ヌプルは霊力を指す言葉で、登別市出身のアイヌ語学者の知里真志保は、それが「強い、どぎつい」といった感じを表し、色とか食物の味等が「濃い」意味に使われるようになったことから「色のこい川」と訳していました。
真志保の友人で、アイヌ語地名研究者の山田秀三は、「今でも温泉の方に行くと、例えば大湯沼から出る川はひどい鼠色である。知里さんとそこに行ったら、彼喜んで、ほらヌプルだヌプルだと云った。道内には濁り川は多いが、どれも別な言葉でそれを呼んでいる。登別川がヌプルであった点を、彼は正確に訳したのであった。」と真志保がヌプルを温泉としていたことを紹介しています。
北海道には登別市だけでなく、アイヌ語をもとにした地名がたくさんあります。
また、サハリンや千島列島、東北地方にもアイヌ語がもとになった地名があり,アイヌ語の世界が広がっていたことがわかります。
※このサイトでは、アイヌ語表記の小文字を表すとき、シフトJIS コードにない文字は半角カナで表しています。